東北福祉大学感性福祉研究所3.11プロジェクト

研究計画

本研究プロジェクトは、「3.11」の諸作用因からもたらされた諸衝撃と後遺症、それらに対する諸対応や対策の副作用が重合する負の連鎖は地域的?社会的に偏在し、「健康福祉システムの再構築」に向かう過程においては、各被災地が受けた衝撃の大きさだけでなく、人的、物的、社会的、経済的、政治的諸条件によって制約されるため、それらの実態を捉えるべく、地域の現場的視点に立ち、かつ事態の進行に密着する追跡型のアプローチを採用し、いわゆる「復興計画終了」時(2020年)を含む2017?2021年度の5年間を研究期間とする。

年度別の具体的研究内容は以下の通りである。

年度別計画(2017年度)

2017年度

緊急事態の収束を主眼とする、いわゆる『集中復興期間』に実施した、先行の『戦略的研究プロジェクト』(平成24年度-平成28年度:2012年度-2016年度)においては、「大災害」が課す実践的?知的挑戦に応えるべく、「3.11をめぐる世界」の中における「健康福祉をめぐる世界」に焦点を当て、そこに見出される、諸問題?諸課題の抽出と諸対応?対策の現状評価、加えて、それらを全体論的に捉えるために従来の諸理論?諸概念の改鋳作業の検討に取り組んできた。

それに引き続く、本研究プロジェクトは人々と地域の暮らしの回復?再建を主眼とする新たなフェイズに実施することから、初年度は、両フェイズを含む長い時間推移に射程を拡張して、先行の『戦略的研究プロジェクト』の成果を再考すると同時に、フェィズの転換から生ずる種々の問題と課題及び諸対策について見取り図を描き、本研究プロジェクトの検討課題に関して各チームが共通認識をもつよう図りながら、個別チームが行う研究における分析的枠組みの練り直しと諸調査の設計を行うことに重点をおく。
 

年度別計画(2018年度)

2018年度

(イ)「集中復興期間」後の被災者?被災地における「3.11」の余波と個人、家族、地域の暮らしの実態把握と問題の抽出

(ロ)制度的、非制度的な各種の取組みの現状把握、それらの効果と副作用に関する分析

(ハ)両者の作業を通じて見えてくる諸課題の整理と対応諸方策の検討

イ、ロ、ハの作業は、本研究プロジェクトの全期間を通じて継続する。各チー